NARRATIVEナラティブ

訪問看護をやってみたかったから、たまたま開設したばかりのステーションが近所にあった

病棟時代と比べて患者さん（利用者さん）一人ひとりとしっかりと向き合える。
生活背景だけではなく、家族とのつながりと知ることができ、療養生活を看護の視点をもって支えられていると実感できる。

働くスタッフの人柄がよく、利用者さんを大切にしている。お互いの生活状況をふだんの雑談から知っているので、支えが必要な時は助け合えるところが良い。少人数で一人の重みが大きいので急なお休みになると仕事量が増えて大変になることもあるが、利用者さんの理解もあり、皆で支え合えている。

独居の末期がんの元すし職人の男性。
総合病院より腹腔にチューブを留置しながらの退院予定であった。本人の強い希望で独居のまま自宅に帰ることを選択。腹水がたまると血圧をみながら排液した。段差がある中でも入りなれた浴室でのお風呂介助を行った。
今まで独居でのターミナルケアはしたことがなかったが、利用者さん本人の知人、友人、元職場の方々にも支えられながら、本人の希望通りの毎日を静かに送ることができた。
数日後、最期はなじみの人に囲まれながら、昔話に花を咲かせた中で静かに息を引きとられた。
ずっと友人たちを大切に思って生きてきた利用者さんの、死に様が生き様・・という場面をみて本人の希望にも寄り添えた在宅看護に感動し、この方の人生に関われたことに感謝した。